2020-01-01から1年間の記事一覧

日本社会の特徴と過去を教訓とすることについて

ようやく読み終わりそうだ。 www.shinchosha.co.jp 国民健康保険制度のはじまりは戦前だったことを、どれだけの人が知っているだろう。もちろん財政体力が列強より劣る日本が「国民のため」だけで行ったはずはなく、軍事力強化の理由もあった。 「陸軍は農村…

諸外国では歴史はどのように教えられているか

大学で履修した科目の中に、諸外国でどのように歴史が教えられているかという科目があった。ブックオフでこの本を見つけた時、とっさに買ってしまった。 イギリスの歴史教科書を日本語に翻訳した本である。 「イギリスは植民地主義を謝罪しない」と言い張る…

「自民党を支持するわけではないけれど」

立場上、政治的中立性を問われるのだが、社会矛盾の最前線に立つ一員として、危機感や問題意識を持つことは一方で必要なことだと思う。 その際、しばしば「自民党を支持するわけではないけれど、野党がダメだから自民党に投票する」という言葉に出会うことが…

三澤勝衛先生について

ひょんなことからとなり町での読書会に参加させていただくこととなった。 今回の本は「諏訪式。」という長野県諏訪地方を取材して書かれた本である。諏訪出身の人物を紹介しつつ、風土にも言及している。 取材した際のキーマンのせいか、私の知る諏訪地方と…

「本と市民」

高校の友人から勧めを受けて読み始め、とうとう最後まで通読してしまった。 日野市図書館の前川元館長と図書館員たちが切り開いた「日本図書館の夜明け」の物語、と言ってしまったら言い過ぎだろうか。 図書館についての考え方がよくわかった一冊でもあった…

政策のバランス

駒ヶ根市議の池田さんの連投。撲殺事件からご自身が従事してきたホームレス支援の経験から、周囲が何ができるかまで言及されている。 今回の女性野宿者の撲殺事件について、周りにいる困っている人にどう声をかけたらいいかを知りたい方が多いことが分かりま…

観光業とは何か

「観光地」「旅行」って、そもそも何なんでしょうね。この事業において。さらに、この事業の目的って何なんでしょうね。私は、常に、この「そもそも」が大事だと思っています。今、我々が見失ないがち、というか混沌としている社会があるなら、常に立ち戻り…

谷川俊太郎とI先生の思い出

小学校3年生の時の担任のI先生は、型破りな人だった。 毎日書かされていた日記を廃止し、代わりに私たちに毎日詩を書かせた。 そして手書きの学級通信に良い詩を一つ取り上げ、詩評を書いてくれた。私のような成績の良い子の詩はあまり取り上げられなかった…

自治体職員研修

月刊ガバナンス 2020年 11 月号 [雑誌] 発売日: 2020/10/30 メディア: 雑誌 11月号ガバナンス続き。 自治体の職員研修のオンライン化が急速に進んだ1年だった。。。と言いたいところだが、急増したコロナ対策業務から後回しとされた自治体が多かったそうだ。…

部署横断的なサポート体制の構築をいかにすべきか

月刊ガバナンス 2020年 11 月号 [雑誌] 発売日: 2020/10/30 メディア: 雑誌 今月号は「地域共生社会」。 いわゆる8050問題などに代表される「困りごと」相談のうち、困難案件についての相談対応は複数の部署にまたがることが多い。 記事にもある通り、福…

第15条 すべて公務員は全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

自治体コンプライアンスの基礎 (地方自治・実務入門シリーズ) 作者:岡田 博史 発売日: 2017/09/29 メディア: 単行本(ソフトカバー) 京都市役所の岡田博史さんによる、若手から中堅職員向けにかかれた地方自治シリーズの1冊。 同書冒頭で指摘がある通り、…

空き家問題2

世界の空き家対策: 公民連携による不動産活用とエリア再生 作者:米山 秀隆,小林 正典,室田 昌子,小柳 春一郎,倉橋 透,周藤 利一 発売日: 2018/08/31 メディア: 単行本(ソフトカバー) 同書の読書の続き。 アメリカの空き家対策の特徴は、流通性のある不動産…

空き家問題と我々はどう対峙すれば良いのか

世界の空き家対策 公民連携による不動産活用とエリア再生 空き家問題についてここのところ考えていた。自分も空き家を作っている一人である。実家の処分に思いの外コストがかかる。covid19以前であれば、上物を取り壊し更地にさえすればそれなりに売れた地区…

土地や建物の利活用において、行政は何をなすべきなのか

諏訪市の東洋バルヴ跡地の利活用について、市民の公聴会のようなものがあったらしい。 様々な意見が出たようだが、やはり箱物づくりの提案が出てしまったようだ。 隣の市のことではあるが、あの場所は諏訪地方の中心地になり得る位置にある。合併しなかった…

学校になぜお金がないのか、そろそろ気付こう

卒業後、実際に地元の公立学校を見に行ったことのある人はどのくらいいるだろう。 必要な予算が確保され、備品に手入れが行き届き、必要なものはきちんと揃っている学校もある。 一方で修繕が追いつかず、備品の傷みが放置されている学校もある。メンテナン…

人と人をつなげる仕事

本日図書館は休館日のため本来は休みなのだが、午後の研修に出席するため午後からは出勤となる。 自治体の仕事とは、制度を確実に運用していくことが第一だが、もうひとつ重要な役割がある。業務の中で人のつながり(社会)を再構築していくことだ。とはいえ…

アイデンティティの揺らぎ

長い記事だが、アイデンティティの揺らぎというポイントに興味をそそられて読んでみた。 webronza.asahi.com 温又柔さんの小説『真ん中の子どもたち』とエッセイ『「国語」から旅立って』について、安田菜津紀さんによる温さんへのインタビュー記事だ。 日常…

縦割り行政を甘く見過ぎていた

現在人口が増え続けている市町村もいずれは人口増の寿命を迎え、高齢者比率の増加と労働者人口の比率的、絶対数的減少の場面を迎えることになる。すでにその局面に入っている自治体は今後高騰する福祉費用の捻出に備え、行政関係の施設を大幅に減らし、福祉…

自助の国

記事は2006年に起きた介護心中事件と、先般の自民党総裁選の菅氏による「自助、共助、公助」の取り違え発言を取り上げ、「人さまに迷惑をかけない」という呪縛に囚われ続ける私たちの意識に警告を発するような形となっている。 business.nikkei.com 菅氏が繰…

図書館とは

久々に仕事関係の本を読んでみたので、興味のある部分だけまとめてみた。 図書館員をめざす人へ (ライブラリーぶっくす) 作者:後藤敏行 発売日: 2016/04/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) 著者は大学講師、専門は図書館情報学。 同書の公共図書館の部分…

荻上チキ氏による「戦争といじめ」

今回の動画のテーマは「戦時下のいじめ」について。 www.youtube.com 戦時下には多くのいじめの記録が残っているとのこと。動画の中での荻上氏のお話を自分なりに要約して書き起こしてみたので以下、シェアする。 戦争については知られていないテーマなどが…

荻上チキさんによるコロナウィルスと流言について

2月頃作られた動画。ちょうどこの動画の後くらいにコロナウイルスの感染が拡大し始め、「何人が大量に逃げた」「人為的に作られた」などの流言が飛び交うようになった。 www.youtube.com 流言は有害であるだけでなく多くのことを妨げてしまう。妨げられた「…

ナチスとは

2016年に行われた東京大学大学院石田勇治先生によるヒトラーについての講演。日本記者クラブで行われた。 www.youtube.com ヒトラーが近年注目されているのは、昨今の社会情勢において振り返る必要があるからだ。動画の講演が行われたのはトランプ誕生の…

90年代の香港とFAUCHON

「フォション」には思い出がある。 www.fashionsnap.com 94年の2月から95年の1月まで中国の上海に語学留学をした。 帰りのお土産を購入したいが、当時の中国には日持ちがしてかつ高品質のバラマキ土産など存在しなかったため、帰路に立ち寄った香港で…

北朝鮮という国について私たちはイメージで語っっている。

四年前の動画を偶然見つけた。 動画冒頭で「北朝鮮という国を知らないあまり、頭の中に勝手に北朝鮮という国を作っていないか」という指摘があり、その通りだと思ったので見始めた。 北朝鮮からの脱北者2名へのインタビューである。 www.youtube.com 生々し…

野党嫌いという病

今回の国会で野党は非常に大きな仕事をした。それに比べ自民党の体たらくは目を覆うばかりである。しかし、国民の多くは今も野党が「うるさいだけ」だと信じている。誰も平日昼間の国会を見ていない上に、マスコミが派手なパフォーマンス以外はほとんど報道…

コロナ禍

首相の緊急事態宣言を聞いて思ったこと。 「成功したら自分の手柄、失敗したら国民の努力不足」と言うこれまで同様の趣旨だった。 ここ10年で安倍政権が進めてきた政策は「国全体をどうするか」と言う戦略よりも優先するものがあった。 財政危機に陥る日本…