荻上チキさんによるコロナウィルスと流言について

2月頃作られた動画。ちょうどこの動画の後くらいにコロナウイルスの感染が拡大し始め、「何人が大量に逃げた」「人為的に作られた」などの流言が飛び交うようになった。

 

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 流言は有害であるだけでなく多くのことを妨げてしまう。妨げられた「何か」は可視化されるものもあれば、そうでないものがある。ひっそりと誰かが深刻に傷つき、気づかれることがないものもある。自分がその番になるまでは、私たちはそれに気づかない。そんなことがしばしばあると思う。

 

以下、荻上チキさんのお話の簡単なまとめ。

 

パンデミック、あるいはエピデミック(疫病の流行)時に発生する流言は、災害時のパターンと同じなので参考にすることができる。

例えば災害時は犯罪流言「空き巣が」「外国人が」と言った流言が出回るが、今回も同類の流言が見られる。例えば、今(放送当時)外国人についての流言に対応して過剰防衛により特定の国の人を「入店お断り」としたりするケースが相次いでいる。

 

流言の拡散については「オルフォートとポストマンの法則」で表される。

公式:R(流言)=i(重要性)xa(曖昧さ)

 

この公式の意味するところは「流言は情報の重要性と曖昧さの乗数」で表される。

例えば関心の対象について、「曖昧さ」が大きければ流言が広まりやすい。コロナウイルスのような重大事項でかつ曖昧さが大きいものでは、流言を「情報がないから確かかもしれない」と信じてしまいがちである。

中国のコロナウイルス対策の問題は初期段階で情報を開示しなかったこと。適切な情報を開示することが事態の改善につながる。流言を拡散することは効果のない、不必要な差別を助長し再生産する意味を持っている。

不安感を高まっている。過去の流言研究を参考にしたい。

 

以上

 

その後の流言は荻上さんが考えた通り、あるいはそれ以上の状況となった。本日は自治体の長までもが信じたい情報を信じて広めてしまうという事態にまで発展している。