4月前半の日本経済新聞から

4日の記事

1)こども家庭庁本格稼働の記事。筆者はダイバーシティエディターの天野氏。

各省庁に分散していた子ども関連の施策を統合するのがこの組織の狙い。他省庁に勧告する権限がある。

同時に施行された「こども基本法」は国や自治体の関連政策に子どもの意見を反映させることを義務付けた、校則や公園のあり方、児童館の運営などが想定される。

内閣府2018年の国際調査で「社会問題の解決に関与したい」と答えた若者は日本では42%に留まり、先進7カ国で唯一5割に届かなかった。認定NPOフローレンスの駒崎氏の「おかしいと思っても受け止めてもらえなかったことの積み重ねが若者の意欲を削いでいる」というコメントを紹介している。「自分の声で社会が変えられた」ことが活力維持に必要としている。

 

駒崎氏の学習的無力感についての指摘には違和感はないが、こども家庭庁の「子どもの意見を反映させる」ことは本当に正しいのだろうか。社会は相当に複雑で十分に情報を得て熟議を重ねなければ何が必要なのか理解することは困難だ。安易に子どもの意見を集め、本質的な解決が後回しにされ、本当に必要なことが見過ごされないか警戒する必要があるのではないか。

 

2)コロナ後回復に暗雲

3日発表の日銀短観によれば製造業が5期連続悪化。

原材料高が長引いていることと、海外経済の減速懸念による。経常益予測2.6%減。

輸出産業を中心に

自動車は生産が回復し2月は計画通りだったが、工作機械受注はコロナ明けからV字回復が続いていたが、潮目が変わったかのように前年同月比で1割減。紙、パルプは燃料費高騰などでコスト上昇。石油石炭は景気減速でガソリン需要が落ち込んでいる。

材料高の影響を受ける素材業種の景況感が特に目立った。飲食サービスは全国旅行支援の後押しを受けながらも横ばいにとどまる。

全体として、記事では歴史的な物価高に賃金上昇が追いついていないことが要因であるとしている。

 

3)アジア関連記事

中国の内蒙古自治区の乳製品大手「内蒙古伊利実業集団」が世界5位に成長した。フランスのラクタリス、ダノン、スイスのネスレアメリカのデイリーファーマーズオブアメリカの一角に食い込んだ。

インドネシア大手配車サービスの「GoTo」の業績改善が遅れ、シンガポールの「グラブ」や「シー」に遅れているとのニュース。同サービスはインドネシアの配車サービス「ゴジェック」と通販サイト「トコペディア」が統合したもの。リストラ費用の計上やのれん代減損による損失による。グラブは東南アジア8カ国に展開しているが、GoToはインドネシア特化。シーが展開するショッピング大手「ショッピー」と「トコペディア」の競合もコスト増の要因。インドネシアのジョコ政権と近く、選挙が近い今大規模なリストラが困難になっている見方も。

日本では配車サービスが遅れているが、アジア各国ともスマホで車を呼べる時代がすでに到来していることは、あまり日本では知られていない。

その他のニュースとしては、中国海運大手のコスコが過去最高益。インドの国営電力会社が融資を受け、再生可能エネルギーに注力する、、など。