「私たちはなぜ家を買うのか」(村上あかね)から。
子供への親からの贈与について。
自分の子供に自分と同程度の経済的地位を得てほしいと考えて生前贈与が行われる、というのはあり得る話だなと。その期待は親の自己アイデンティティの拡張ではないかと。
なるほどな。
日本の持ち家率は6割。秋田と富山が8割、東京と沖縄が5割だそうだ。
日本の持ち家率は高く、英米の65%とほぼ同等、仏独の50%未満を大きく上回る。
1970年代に団塊世代が結婚子育てに入り郊外に家を買い始めるまでは戸建ては高嶺の花だった。
それなのになぜ家を買うのがマジョリティだと思うのか。
農村から大都市に移った人々の住居は狭かった。供給不足が価格の高騰を招いたからだ。
戦前、大阪市長の関一は環境の悪い住宅街区の改良事業を進めた。この頃、借地借家関連法令が作られた。背景には都市への急速な人口集中などがあったと考えられる。
当時誕生した新中間層は郊外に住宅を求め、私鉄は都心と結ぶ役割を担った。
(同書と関係ないが小林は山梨県出身。宝塚歌劇団の創設者でもある。当時、大阪は日本の地方都市行政の先進地だった。)