図書館とは

 久々に仕事関係の本を読んでみたので、興味のある部分だけまとめてみた。

図書館員をめざす人へ (ライブラリーぶっくす)

図書館員をめざす人へ (ライブラリーぶっくす)

  • 作者:後藤敏行
  • 発売日: 2016/04/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 著者は大学講師、専門は図書館情報学

同書の公共図書館の部分だけを抜粋しまとめてみる。

 

図書館の定義を「図書を中心に、記録された知識や情報を収集、整理、保存し、利用に供することを目的とする機関」としている。

平成26年度の文科省の調査によればデジタル形式の資料が増えている。大学図書館に関しては国公私立の合計で電子ジャーナルの経費が図書を上回っている。公開もインターネットを通じて行うハイブリッドライブラリーを志向する図書館も多い。

 

1 公共図書館とは 図書館の種類は地域の住民にサービスを提供する「公共図書館

(1)定義

 図書館法(1950)による定義(2条1項)は「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」。

(2)設立主体別の分類(2条2項)

・「公共図書館地方公共団体が設立するもの

・「私立図書館日本赤十字社、一般社団法人、一般財団法人が設立するもの

(3)運営基準

 一定の基準がなければ自治体はどの程度の予算を確保すれば良いか判断できないため、国により基準が作られている。

 日本では文部科学大臣が定めることととされている(7条の2)。基準は「図書館の健全な発達を図る」ために「設置と運営上望ましい基準」を定めることになっている。

2012年の告示による同基準は、市町村立図書館への援助や都道府県内の図書館間の連絡調整、私立図書館の公益についてを定めている。

 私立図書館へは補助金交付の禁止(26条)が定められており、対価を徴収可能(28条)としている。一方で公立は入館料、利用に関する一切の費用を徴収してはならない(17条)としている。

(4)図書館数と貸出数

2014年4月現在(日本図書協会「日本の図書館」)3,246館、公立はそのうち3,226館。私立図書館の把握は困難なことから統計に反映されていないと考えられる。個人貸出件数は7億弱。80年代から増加傾向にあったが、11年から減少に転じた。

(5)職員

 専任職員は約1万、非常勤等は2万6千人。ただし、年間実働時間計で1500時間を1人とカウントしているので、実際はもっと多い可能性がある。

 

2 学校図書館学校図書館法 1953)

(1)必置義務

 児童生徒の学習や読書、教員の教育活動を進めるために小中高等学校、特別支援学校に設置が義務付けられている。

図書館資料を収集、整理、保存する。

(2)目的

・教育課程の展開に寄与する

・児童生徒の健全な教養を育成する

(3)学校図書館の機能

・学習情報センター

教育課程の展開に寄与する「教材センター」

・読書センター

児童生徒の健全な教養を育成する

(4)学習情報センターとは

自発的、主体的学習を多様な資料により司書教諭と学校司書が支える

各教科の学力向上に役立つ

情報リテラシー向上を図る

(5)人材

司書教諭は必置義務があるが、11学級以下の規模の学校では置かなくても良い(政令

学校司書は全国で6,000人余りが常勤、15,000人が非常勤。「常勤」と言っても、自治体行政職員と同じ待遇とは限らない。

(6)インタビューから(実情)

学校図書館活用については多くの課題がある。進学校においては新書などを多く置いて小論文対策の書籍を増やすなどの工夫が見られるが、主体的な読書などはある程度学力がなければ困難であるが、何かを調べさせてそこから興味を拡大するという受験優先の進学校では困難な方法が考えられる。など