障害児を育てると言うこと

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障害児を育てていくと言うことについて語っているYoutube動画を見つけた。動画は長く、聴くのが辛い方もいると思うので動画を簡単に文字起こしした。動画主の方は東京の市部のシングルマザー、二人の知的、発達障害のある子を育てている。生活保護受給歴があり(過去の動画で詳しくお話しされている)、ご自身も精神疾患を抱えている(障害年金は受給できていない)。

 

以下、省略して動画の内容を書き起こす。

 

小一の壁

軽度障害(発達障害、境界知能)がサービスを受けられなくなる。障害が重い子は放課後デイサービスはどこも満員。空きを探すのが大変。母親が働けない。親の就労を考えられた設計になっていない。夏休みや4時で閉まるところも。医療を受けるためにお金がかかるのに親がフルタイムで働くことが無理。父親が経済力がない限り支払えない。自費で購入しなければならないものも多い(チューブ、消毒液などの衛生用品)。

放課後等デイサービスが決まらないと学童保育を利用する。特別支援の子の受入枠が決まっている。枠から溢れると母親が働けない。人手不足で加配がつかないため枠が限定されているのか。

子どもをどこに預ければいいのか。

ベビーシッターを雇う手もあるが、医療的ケア児ができるヘルパーが少ない。

 

中一の壁

ベビーシッターは通常6年生まで。学童保育もなくなる。どうやって子どもを預けて働けば良いのか。

 

18歳の壁

学校もなくなる。障害者のデイケアに通うか、就労移行支援に通う。しかし3時には終わってしまうので親は働けない。一人で留守番できなかったり送迎が必要だったりするためだ。

 

小学校が決まらず揉めた。小学校3年の後の学童問題。シングルマザーなので働かなければならないが、学童が決まらないと働けない。家計はどうなってしまうのか。小学校2年生頃から中学校の心配を始めた。中学校は小学校より少ない。特別支援学級がない中学校も多いため、学区が違うことがある。電車乗り継ぎ、バス乗り継ぎは現実的ではない。勉強の遅れを気にしながら通級に通う。

今は中学校に入学して2ヶ月だが、もう高校の受け入れ先を考えている。高卒認定を取れる学校が学習障害があるとほぼない。サポート校は年間100万。大学並みだ。夜間学校に通う手もあるが、送迎が必要。一人で通わせられない、道が覚えられないかパニックを起こすかもしれない。しかし、高卒くらいはなければ就職がない。

 

18歳を超えたらグループホームに入って一人暮らしをして欲しい。今そのために一緒に買い物に行ったりして身につけさせようとしているが、学習障害があって数字が目の前のお金と結びつきにくい。医療的ケアを必要としないだけマシなのだろうか。昨年から留守番ができるようになったが、もし医療的ケア児であったら例えば痰が詰まったら生死に関わる。すぐ対応、ケアのできる人が側にいつもいなければならない。「ケアラーとしての親」「母親としての親」「女としての親」の3つの面を抱えていかなければならない。健常者に生んであげられなかった後悔を抱えている。障害は個性という人が大嫌い。そう言う人は恵まれている。親に経済力がある、障害年金がもらえる、などでなければそんなことは言えないはずだ。個性ならもっと恵まれているはずだ。進路でこんなに悩まなくていいはずだ。

 

制度のほとんどは健常児を前提にできている。例えば留守番ができる年齢が全く違う。夫婦が二人いたとしてもどちらかの給与だけでやっていけない。預けるために何万円もかかる。療育センターで受けられる最大限の療育を頼むしかなかった。療育センターも車がなければいけない山の上にあった。

 

18歳からは成人。助けてくれるところがない。デイケアかデイサービスしかない。行政には助けると言うより「ここでなんとかしなさい、これ以上は無理です、18歳だから大人でしょ」と言う丸投げ的な制度しかない。境界知能、ADHDASDの人たちは就労移行支援に入っても長く続かない。その時に支援がない。

 

以上

 

東京に住んでいるため、お金さえ出せばそれなりにサービスがある。しかし、平均的な所得で支払えるような額ではない。

地方ではこうした行政サービスがそもそもない。立派な箱物は沢山あるが、こうしたところにお金を使おうとする市町村は非常に少ない。