社会保障費

ついているコメントを見ると、脱力感しか感じない。
結論から言って、社会保障費はとうの昔に支払不能に陥っている。
新しい制度である介護保険の給付(職員の人件費)を大幅に抑制しつつ、残りは借入で賄っている現実がある。しかし、多くの国民はその現実を受け止めようとせず、「経済成長に必要だから消費税増は反対」などと言っている。

まだ成長すると思っているのか。
家の中にものが溢れ、街中には空き家が溢れている。これ以上一体何を買うというのか?
技術開発によるイノベーションで、モノが違うモノに置き換わることはあるかもしれない。
しかし、高度経済成長のようなことは起こらない。
そもそも、今、日本は経済成長している。

繰り返すが、医療費と介護費用の支払いは最早できていない。
今後ますますできなくなる。

受けられた治療はますます受けられなくなり、介護は昔のように自宅で行うことになるのだ。
一番困るのは高齢者ではない。家族だ。

例えば「実家にいる親を公的サービスに任せ、東京で働く」ということは徐々にできなくなる。十年後には何割かの人は会社を辞めて田舎に帰らざるを得なくなるだろう。いや、現実にそうなりつつある。

それでも東京に残った人たちには、病院不足と介護施設不足が待っている。今の東京に必要なのは築地の代替施設やオリンピック施設ではなく、病院であり介護施設である。介護を維持する地域社会である。
東京ではさぞ先進的な取り組みがなされているだろう、と思って注意してみているが、あまり伝わってこない。(まさか何もやっていないんじゃないだろうな?)

今からできることは、疾病予防と重症化予防に全力を挙げることである。

現実を見つめてみれば、それ以外の施策はどんなに必要性があってもやむを得ないのでこの先40年は実施できない。
有権者はそうした施策を提唱する政治家を当選させてはならないし、新しい施策や箱物には明確にNOを表明すべきだ。

残念なことに、そうしたことの得意だった世代は高齢化が進み、力を失いつつある。