換金可能な資産とは

以下、簿記をもっていない方にはよくわからない記事のため、読み飛ばすことをすすめる。

現在わが国は多額の負債を抱えている。国、地方、を合わせるとすでに1,000兆円を超える。連結決算ベースで見れば、わが国はとっくに債務超過に陥っているという。この状況を整理するため、簿記的に考えて記録しておく。資本+負債により資産が調達されているため、この負債は資産科目にあるものに換わっていることになる。

この会社を精算することになったとする。
その場合、資産を換金して負債に充てることになるが、その際に資産が換金可能かどうかが問題となる。
国や地方政府が持っている資産は、現金よりもどちらかと言えば建物や土地だろう。行政庁舎を買い取ってくれる会社がそう多くあるとは思えない。霞ヶ関ならなんとかなりそうだが、行政関係施設ばかりがピカピカの村などは、逆に言えば買い取り手が無いだろう。
「土地」も道路や公園などがほとんどなので、法令を一切無視できたとしても売れるものではない。文化財も無理。

・・・と、すると

実は行政は実質的に換金できる資産をあまり持っていないことになる。
債務超過な上に、資産も換金不能な会社に普通金を貸さない。
収支も完全に赤字なので、将来的な収入を債権化することは難しい。
資産を処分できれば、収支関係は改善できるかもしれないが机上の空論だろう。

国民の金融資産が債務より多いといっている人がいるが、憲法を読んでほしい。
国民の資産は、国民それぞれの所有にあるもので、国有ではない。税率を上げてすべて巻き上げようとしても、そんなことは絵空事だ。よって、この意見は非現実的な妄想だ。

要は、われわれ国民が直視する勇気が無いだけであり、もう事実上破産しているということだ。

返す返すも、自民党に引導を渡すのが遅すぎた。
小泉改革は日本経済を若干救ったが、彼の登場があまりに遅すぎた。

これからゆっくり日本は衰退して行く。
コンプレックスを刺激されて、変なナショナリズムに凝ってみたり、貧乏臭い宗教にはまったりするような醜い滅び方はしたくないと思う。