「国の借金」の意味

「国の借金の意味わかって使ってる?」エントリ。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100816/215789/

言いたいことは大体分かる。この方のように財務知識は豊富ではないけど、最低限の知識があれば概要はわかる。

だが、1点間違っている。結構致命的かもしれない。
いやまあ、俺よりずっと優秀な方だからそんなことはお見通しで、もっと高い次元で書いているのかもしれないけど。

一応メモしておく。
確かに貸借対照表には、負債の調達先を表す機能がある。「国の借金」は資産になっており、国民の債権でもある。ここまではこの先生の言う通り。

問題は、借金(負債)が返る可能性があるかだ。
行政資産の大部分は換金不能である。
道路やダムが売れるだろうか?水道設備はどうか?下水道設備を売却して民営化したとしても、「債権」で期待するほどはお金は返ってこないだろう。
ダムはひょっとしたら売れるかもしれないけど、消防署や警察署は売るわけにもいかないだろう。民間活用を図ったとしても限度がある。
そもそも、地方経済規模がどんどん縮小する中で、買う人もいないし。

民間企業と行政の貸借対照表は同じように理解できないという本質的なところが忘れられてしまっているようだ。
まあ、いつかはこうなると思ったけどね。