後期高齢者の医療が事実上無料になった件

民主党後期高齢者医療制度の廃止を主張している。それに対抗して与党が後期高齢者医療保険料の9割軽減策を打ち出した。
「保険料が高い」という「高齢者の声」を背景に、マスコミが与党バッシングを繰り返した結果このようなことになったのだそうだ。しかし、元来低所得者には7割軽減の措置があった。これをさらに9割軽減にするというのが与党案である。

試みに保険料を計算してみよう。
後期高齢者医療保険は、所得割+均等割で計算される。
低所得者であるから、所得割りはゼロになる。と、すると均等割の金額を3割から1割にするということだ。

長野県は均等割が約35,000円である。もし軽減措置がなければ月々約3000円だ。国民健康保険の最低額よりやや安い市町村もあるはずだ。(もうこの時点で「高い」が嘘である事がわかる)
では、これを7割軽減させてみる。月々875円だ。月1000円にも満たない。さらに9割軽減なら、月々300円未満である。コーヒーよりも安い。

今からシステムを入れ替える事が出来ないので、市町村の担当の役人に手で計算させるのだそうだ。たった300円の保険料を取るために、市町村の税金を使うのか?愚劣きわまりない。この際だから、75歳以上は保険料無料にしたらどうだろう。全て若い人に保険料を転嫁する事にするのだ。これならマスコミも年寄りも大喜びだろう。

それにしても、高齢者が「保険料が高い」と騒いでいると言うが、それは事実なのだろうか。テレビを見て何となく不安に思っているだけじゃないのか。確かに試算では、保険料が上がった人も結構いたと言う。だが、そんなに高齢者はそれを問題視していたのだろうか。

民主党が高齢者の医療費を若者に全面転嫁することを主張すれば、自民党は1000円を300円にすると言う。政治家はこの国の将来なんて、もうどっちでもいいんじゃないのか。