8000億円で何が買えたか

あの金で何が買えたか―バブル・ファンタジー

あの金で何が買えたか―バブル・ファンタジー

後期高齢者医療制度の導入にあたり、説明を怠った自民党公明党は医療制度への無理解を露呈した。
結果、高齢者からの感情的な反発を受けることになった。選挙を意識した両党は公費を使って後期保険料を軽減した。7割軽減、9割軽減という、事実上の無料化を強行した。その予算が8000億円。

同書はバブル処理に使った公的資金がどの程度の額だったかを例を挙げて紹介している。この本を再び持ち出してきて8000億円がどういう額なのかを見てみた。

チェルノブイリに100台の超音波診断装置を送る・・・10億円
世界の失明しそうな子どもにビタミン剤1年分・・・20億円
全県に点字図書館・・・188億円
火星探査機・・・186億円
アジアのHIV患者への援助5年分・・・6000億円
HIV新薬開発・・・1584億円
全世界のストリートチルドレンに3000円の毛布を送る・・・7500億円
すべての地雷除去・・・3兆9600億円

その他、考えさせられる使い道や、愉快な使い道が色々出ている。



ところで、「軽減してやったから票を入れろ」と大いばりの両党だが、私の周囲の高齢者で保険料を「軽減してもらった」と思っている人は一人もいない。複雑でわかりにくい制度のため、「保険料が上がった」と思い込んでいる高齢者が多い。それどころか「高齢者から金を取るなんていじめだ」とわめきちらしている老人もいる。

軽減は無駄だったのではないか、と私は思う。
もうため息しか出ない。