孔孟思想の仁義を批判し続けた老子だが、為政者があれこれするよりも民が自ら成す事を重視したとも取れる一節がある。
夫れ天下に忌諱多くして、民弥々貧しく、民に利器多くして、国家滋々昏れ、民に智慧多くして、邪事滋々起こり、法令滋々彰らかにして、盗賊多く有り。
故に聖人は云う、我無為にして民自から化し、我静を好みて民自から正しく、我れ無事にして民自ら富み、我無欲にして民自ら樸なりと。
老子はマネタリストだったのだろうか?
現代では、経済学上の古典派の主義主張は否定されている。しかし、この一説は何故か胸を打つ。
行政の金で老人医療を実現すべきではない。やはり、あくまで保険制度と言う仕組みの中でなんとかすべきである。民主党案の「いくらかかり、どれだけ予算が取れるかわからないまま進める」方向性は間違っている。かといって自民党の保険料の叩き売りもおかしいが、ここで政権を失えば保険制度その物が崩壊しかねない。
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