朝青龍関についての勝手な想像

 報道が常軌を逸していると思う。

 若くして出国し、言葉を覚えて異文化の壁で苦労をし、その国の国技でチャンピオンにまで上り詰めた朝青龍関に、どのような労苦があったのか計り知れない。

 仮に、もしも日本の若者が若くしてモンゴルに渡り、厳しいしきたりの中でチャンピオンになったとする。
 その人が精神的肉体的に調子を崩したら、マスコミは同じように人非人のごとく叩くだろうか。おそらく、当初はそうかもしれないが、すぐにバランスを回復するだろうと思う。
 それなのに、なぜ朝青龍関は別なのか。

 そう考えると、背景には国技相撲でモンゴル人がトップを取ったことについての必要以上に厳しい目があるのではないか。そこに民族差別という側面は、全く無いのだろうか。

 いずれにせよ、異文化コミュニケーションで苦しむモンゴルの若者に、先進国のマスコミと国民は石を投げ、罵倒してスキャンダルを撒き散らした。美しい国ですな、日本は。

 先進国の定義が間違っているんでしょうかね。

詳細は大手ネットや朝のニュースでしかこの問題を見ていないのでわからない。
が、モンゴルは「日本人を尊敬している」と答える国の数少ない一つだ。今朝のニュースで「わが国では地位のある人は処分されないが、日本では関係なく処分される事はすばらしいと思う」と、モンゴルの方がコメントしていた。お国柄なのか、文化なのかわからないが、あの若者を巡る馬鹿騒ぎに乗じていた一人として、なんだか後ろめたく感じた。