結局・・・

話し合いの末、帰ることになった。と、言うわけで野宿レポートはここまで。
貴重な経験が出来てよかったと思う。これでいつ地震が起きても俺は大丈夫だと思う。トロイから最初のゆれで下敷きになってぺちゃんこになっている可能性の方が高いけど・・・。

 車の中で寝ながら、昔東京でフリーター(今はニートと言うらしい)やっていた頃のことをずっと思い出ていた。あの頃は、ホームレスの皆さんと日雇いのバイトをした事がある。

 日○新宿営業所の引越し作業のバイトだった。前日9時から電話受付で、すぐ予約が一杯になってしまうのでリダイヤルに登録して速攻で電話をする。翌日7時に出勤して受付の後、ラジオ体操の音楽がかかる中で着替えてボーっとする。8時くらいに各チームに分かれて出発。主な仕事はリストラで統合された部署の机や機材の移動だった。

 高層ビルの某一部上場企業の何十何階から何階へ移動する、などの指示書どおりに移動した。こういう企業で働く道もあったのだと思うと、気の遠くなるようなめまいを感じるので、下を向いて黙々と働いた。体を動かす仕事でよかった、と思うのはこういうときだ。

 チームになった人にはまともな人の方が少なく、アル中、前科のある人(自称・しかも性犯罪系)、明らかに挙動が変な人などさまざまだった。新宿営業所は新宿南口の某デパートの脇にある汚い建物だった。出勤時は誰もいないが、帰りは着飾った綺麗な若者達の中を、6000円ばかりを持って歩いていると、世の中から隔離された気持ちでいっぱいになる。久しぶりの肉を食べて、家に帰り、少しまどろむ。ジョギングの後(これをやらないと欝になると信じていた)、銭湯に行って帰る。どうしても眠れないので夜中の東京を徘徊する。警察の職務質問を何回か受けていると、次第に自分が犯罪者になったような気分になってくる。ふと気づくと、そういう人たちと、自分が何もかわらないことに気づかされたりもした。