デスマとロスジェネ

「ロストジェネレーション」という言葉がある。ロストワールドみたいな語感がする。はてなで検索すると、朝日新聞が作ったという。
いかにも朝日らしい視点に思える。が、そういう側面があることを認めざるを得ない。私もその一人なのだろう、と思えるからだ。

忘れられた世代、忘れられた時代の人たち。

「デスマ」とは、デスマーチ、つまり死の行進のこと。仕事のスケジュールが行き詰った状態のことで、ひどい残業が続くIT業界で生まれた言葉らしい。ロスジェネ世代が、見舞われてきた典型的な現象の一つかもしれない。21世紀の初頭、人は再び消耗品に戻ったようだ。

「ハロワ」とは、ハローワークのこと。求人コーナーにはブラック会社ばかりが並ぶという。そうだったかもしれない。私がハロワの世話になっていた当時、いい会社の求人の口はだいたい新卒就職面接会ですべて売り切れていた。
アルバイトを始めてしまうと、土日休みのハロワには行けなかった。だからバイトの人はいつまでもバイトに残りがちだった。平日休みを取って面接に行くのは、収入減に直結する。意外に休めないバイトも結構あった。
それを理由にして、日雇いを選ぶ人もいたが、いったん選んだら最後そこから這い上がるのは至難の技だった。安定した収入のない中で、激しい競争を勝ち抜くのはなかなか厳しい。