仕事終わりに映画を観てきた。
以下、ネタバレあり。気になる方は読まないでください。
思いついたところを書いておく。
ストーリーは思春期の主人公の成長期でもある。
最初はまるで敵のような青鷺に導かれ、あちらの世の中に踏み入れる。青鷺は何の象徴だろう。私だったら高校で失速した勉強とコンプレックスの原型を作ってしまった体育だろうか。結局呪いのような両者は中国語の世界に私を導き、強くなれない人々への共感力を与えてくれた。「青鷺」は呪いのようでもあり、自分の追い求める理想でもあり、夢でもあるのかもしれない。確かに3者は似たようなものだ。
主人公は青鷺を射抜き穴を開けた。その穴は開けた者にしか治せないと言う。木を慎重に切り出して穴に嵌め込む。元通りにはならないが欠けた思いは自分の手で直す。
傷ついたペリカンとの対話。憎いはずのペリカンにも事情があることを知る。善意のみでは生きられない。主人公はその死を弔う。
積み木のシーン。社会を自分で作ることを学ぶ。
現実世界で継母を見舞い、そっけなく帰って来てしまう。
自分には関係ないモノだと思っていたのだろうか。
あちらの世界で継母の部屋に入り、その思いを知る。嫌われているのではないかと考えていたのは、継母も同じだった。肌を切るような紙切れに引き離される時に、咄嗟に「夏子お母さん!」と呼びかける。
一人で逃げ帰ることもできたが、継母を連れ帰ることにこだわる主人公。家族も社会も自分の力で作ることを、人はこの年代に学ぶのかもしれない。
ヒミは火の神のようでもあり、卑弥呼かと思ったが主人公の母親だった。ラストシーンで別々の扉を開き、自らの運命を知りつつ主人公の母親になる道を選ぶ。
傷跡を大叔父に見せて自分の罪の象徴であると言う。小説「君たちはどう生きるか」でコペル君が友達への裏切りを乗り越えるシーンを思い出した。傷は誰にでもある。その傷を持つことで、一つ強くもなれる。
宮崎アニメに出てきたモノがあちこちに出てきて面白かった。
大叔父が守る?石がタタリ神(もののけ)そっくり
もののけに出てきた木霊を可愛くしたようなやつが出てきた
インコの目を逃れて這い回る通路にいるゲジゲジみたいなやつが、ナウシカにもいた。
ハウルの動く城みたいな建物があった。
屋敷の使用人たちは湯婆婆みたいな人がいた。キセルでタバコを吸っていたお爺さんも、あんな人が湯屋にいたな。
恐ろしい状況にも毅然として歩みを進める主人公は、宮崎アニメによく出てくるヒーローみたい。パズーであり、アシタカであり。
船乗りのキリコはラピュタの親方の奥さんを思い出した。力強い女性。
大叔父のような人をどこかで観たんだが、、、誰だったかな。ドーラでもないし。
出演者が家族や血縁ばかりで、それ以外は脇役だった。思い切って余計な登場人物は削ったのだろう。
それにしても、屋敷の老婆の声優が豪華でびっくりした。
とりあえずこのくらいにしておこう。