下諏訪みらい塾まとめレポート作成にあたり

先ほどから「下諏訪みらい塾」の若者インタビューを行ったグループのまとめレポートを作成している。

元々私がこのグループへの参加を決めたのは若者の移住について問題意識を持ったからであった。短時間であったが率直な話し合いの中で、彼らが将来の夢や希望を語る姿を見ることができた。正直にいうと彼らと話をするまで、私は少し気持ちが暗かった。私の頃とは比較にならないほど彼らが生きていく未来は厳しい状況にある。毎日個人の所得を見る仕事をしていると、この国の社会に希望はほとんどないような気がしてくる。

「若者の移住を増やす施策を」という意見をしばしば耳にする。企業や地域の人手不足を思えば、生産性の高い人口を誘致したいというその切実さはよくわかる。しかし、一連のインタビューで私は全く逆のことを考えるようになった。
下諏訪町のことなんか忘れたっていい。全力で夢を叶えて、良い人生を送ってほしい」「そしてもし大きな失敗をしたのなら、いつでも下諏訪町に帰っておいで。」と。彼らの帰る場所を一人の下諏訪町の大人として守りたいと強く思った。若者と目線を合わせて率直に話し合えば、厳しい現実に対しても希望を持って立ち向かおうとしている若い人を目の前にして、それ以外の何が言えるだろうか。


 ある高校生が「下諏訪駅前に勉強できるスペースが欲しい。そうした教育投資が必要なのではないか」と言った。勉強した結果、彼は諏訪地方に帰ってこないかもしれない。けれども、それでいいじゃないか。希望を抱いた彼を送り出すことができるなんて、夢のある話ではないか。私はそのためにまちづくりをしているのではないのか。