海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1 (新潮文庫)

海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1 (新潮文庫)


海よ、おまえと結婚する!・・・と、帯に書かれていた1巻を読了。

諸事情あって会社を休まざるをえず、急遽読書の時間に。本なんか読んでる場合じゃないんだけど。


印象に残った部分を書いておく。

聖マルコの遺骨をエジプトの聖堂から買い取って帰国したヴェネツィア人を、祖国の人々は大歓迎した。21世紀のどこかの国の人たちのように、金で買い取った物は汚らしい、などと不合理なことは言わなかったこの国の人々が羨ましく思う。


大義名分が有効なのは、精神的なよりどころを得られるからではない。真の目的をカムフラージュし、周囲の介入をあらかじめ封じることができること、だそうだ。ふーむ。覚えておこう。


若さの価値について。30歳でドージェに就任したピエトロ・オルセオロ二世は、自分が死ぬまでに何ができるか、という思考から自由だった。周到な計画を立てることができた・・・若いって良いね。というか、追い上げられる年齢に差し掛かったので、このくだりを幾分恐怖を持って読んだ自分が情けない。


現実主義者が常に憎まれるのは、理想主義者達のやりかたが最も不適切なやり方だと明確にしてしまうからだ・・・そうだ。
耳の痛いお言葉です。