リニアBルートを巡る感情論

 世間では感情論が暴走しているが、今後県税を使ってリニアを進めていくのだから、諏訪にするか飯田にするか、県内世論をまとめておくのは県知事としては当然のことだ。とりあえずBルートと言っておいて、諏訪の人たちを日本中の世論の批判の的にし、「だからだめだよね」と納得してもらう。
 まあ、そんなシナリオだろう。そこまで考えているかどうかは知らないが。


感情論を別にして、実際はどうなのだろう。

(1)飯田駅のメリット
・諏訪に比べて飯田から伊那にかけては土地が安価で、まとまった広さの場所が多い。工場の誘致などにももってこいだ。
・「7分」早い。実際はもっと短縮できるだろう。

(2)「飯田駅」のデメリット
・名古屋まですぐ近く。車でも1時間少々。駅を作る意味があるのだろうか?飯田駅を出発したリニアは、ろくに加速することなく名古屋駅に着く。乗客は「何でこんな近くに駅を作ったんだ?リニアの意味が無いじゃないか」と思うのではないか。
・産業基盤が薄弱なため、軽井沢みたいになってしまう可能性が高い。強力な産業誘致組織をつくらないといけないが、中核になる人材が足りない。

(3)「諏訪駅」のメリット
・諏訪・・・といっても実際は茅野市か富士見町になるだろう。諏訪盆地には土地がないからだ。
・産業基盤がある。駅ができた後も、産業誘致組織が成立しやすいので産業誘致の成功率が高い。
・技術的に楽だ。
(4)「諏訪駅」のデメリット
・金がかかる。だが、産業誘致に成功すれば、このマイナスは長期的に見れば黒字になるかもしれない。
・諏訪は想像以上の寒冷地だが、リニアシステムは大丈夫か。


(4)その他
最も重要なことは、リニアが高速輸送システムであることだ。
ということは、長野県に駅を作ることそのものが必要ないかもしれない。
そういうことに金を使うなら、国際空港に接続するとか、そっちのほうに金を使った方が国益にかなうだろう。

感情的にBルートに反対している人たちは、そういうことも言ってみたらどうだろう。もう少し聞くに堪える意見が言えるかと思う。