生暖かい油の海の中をもがくような1日もあれば、無機質な砂が手の間から滑り落ちていくように、1日が終わっていく日もある。
「あいつらがいるから明日も出かけよう」と思える仲間がいる。それは、手掛かりのない世の中、僅かでも実感できる数少ないものの一つだ。そんな風に思うようになったのは、ここ数年のことだ。変な言い方だが、この先数年はその仲間のために自分の職業人生をかけようと思っている。

仲間や友達の面前で「あなたは大事です」なんて言える場面はない。俺にとってお前はどんな存在なんだ、なんてなおさらだ。そういうことが言いにくいからこその、友達なのだと思う。
正面から言ったのは一度だけ。結婚式の友人代表祝辞を酔狂にも私に任せた人がいた。あまりに恥ずかしく1週間ほとんど寝ずに書いては消し、書いては消しを繰り返した。何を言ったかもちろん覚えていない。思い出したくもない。

それでも、この歌を聞きたくなることがある。人生のすべてに失望したかに見えた日に、それとなく気遣ってくれた、不器用な彼らを思い出しながら。



追記:友人も良い。目上の人とのお付き合いも良い。だが、年下の人たちとの付き合い方を少し学ぶべきだ。私は変に感情移入しすぎるきらいがある。相手にとってとても迷惑だろうに。