最近の邦楽はあまり聴かない。
歌詞が冗長で、陳腐なものが多いからだ。
20歳前後の若者が「人生は〜」などと歌っているのを聞いていると、なんだかやりきれなくなる。友人と人生論を話す事はある。あんまり人が読んでいないブログに書いたりもする。しかし、多くの人相手にやろうとは思わない。数年前の自分の人生論を思い出せば、顔から火が出るからだ。
そもそも、「詩」であるべきなのに、長い。頭の悪い取説みたいだ。あなたを愛しているということを言うために、その根拠と根拠になるものについての資料を一つ一つ上げなければならないらしい。義務教育の成果だ、きっと。
だから日本の歌の歌詞がなかなか好きになれない。私はリズムやメロディーの良さが理解できないので(音楽的センスが無いからだ)、従って日本の歌はほとんど聴く気がしない。
そんな中で、久々に聴き入ってしまった歌がある。
アンジェラ・アキ「Rain」「ダリア」。
歌詞はそれほど好きではない(嫌いではない、優れているとは思う)。だが、なんとなくリズム、歌い方、ピアノが聴いていて心地よい気がするのだ。こんな歌は滅多に無い。
「Rain」は、雨の日の憂鬱さと喪失の悲しさを重ね合わせ、「二度と帰ってこない」ことを説明調でない言葉で、感覚的に伝えてくれる。ふられる事に慣れるまで、この感覚がどうしても受け入れられなかったのを思い出す。
「はじめて愛した人」との心象風景を「ダリア」に象徴させ、ダリアのふたつの花言葉を対比させながら別れを語る。シンプルだけど、心にしみる。若い頃、彼女の提案で背伸びして変な約束をしたのを思い出した。
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