生きていると

いろいろな事がある。
本当にいろいろな事がある。

父ががんとの闘病生活に入るときまって、この街に帰って来た。全てをあきらめて、いろいろなものを東京においてきた。父が平癒したと思ったら、母が今度は癌になった。二人のためにこの街に帰って来たはずなのだが、その両親とは今、もう会っていない。

それでも時は過ぎる。いつか大きな花が咲くのだろうと思う。
その花が本意ではない場合もあるのだという事も、最近わかってきた。

せめて、自分には咲かなくても良いから、私の人生を彩ってくれた友人や仲間たちには、いつか本当に良い花が咲いて欲しいと思う。

冬来たりなば、春とおからじと言う。
そう信じることのできる強さが、いま切実に欲しい。