俺たちの明日(初回盤)(DVD付)

俺たちの明日(初回盤)(DVD付)

エレファントカシマシの曲が好きだ。お付き合いで行ったカラオケで、エレカシの曲を歌ってウケている所を見たことがないからだ。
実はカラオケが嫌いだ。本当に嫌いだ。あの、空気を読んで選曲しないといけない雰囲気がたまらない。カラオケの場で人生を語ってはいけないのだと思う。本当に仲の良い人だけで行くならまだしも、お付き合いのカラオケは「これ何のSMですか?」という感じでしかない。うまく歌う自信のない人で、かつ私のような人は、カラオケの場でこれを歌うのはお薦めしない。いつも通り、静かにしていると良いと思う。そういう人がいていいと思う。カラオケが好きな人を否定はしない。歌えばいいと思う。ただ、そういう人ばかりの世の中なんて、最悪だ。核戦争で滅んだ方がいいと思う。

脱線。本筋に戻す。
エレカシの曲はとても深い。最初はライブパフォーマンスが好きだった。言葉づかいも個性的で好きだった。だが、30半ばでようやく歌詞の深さが分かるようになってきた。ネット上で語っている人をよく見かける。いちいちもっともと思えるものが多い。

「俺たちの明日」では、10代、20代を迷い続けて過ごした「俺」が、30代になって「愛する人のためのこの命だと気付」く。そして、同じ世代の人たちに向けて「さあ、がんばろうぜ」と呼びかける。
個人的に最も好きなフレーズは、「お前のくれた優しさが、俺の宝物」というところ。そのとおりだ、と思うのは私の中にある道徳によるものではない。今、心から「そうだよな」としみじみと心の中で頷ける。

 振り返ってみると、同世代に向けて語りかける言葉を私はまだ持たない。背伸びして年上とばかり付き合ってきたからなのかも知れない。自己像が大きめに投射されがちな時期に差し掛かっている。自覚はしているし、そういう人が嫌いだったし、だからそんな自分が嫌でたまらない。
しかし、それでも、「がんばろうぜ」とつぶやく。