信州自治体学会2

信州自治体学会のつづきです。

基調講演1
お話 小諸市環境水道部長 土屋政紀 氏(信州自治体学会)

 はじめに、土屋部長から小諸市コンパクトシティ化政策についての経過とその背景のご説明をいただいた。
<事業の概要>
・市役所、病院、図書館、市民センター等を隣接して配置した。
・近接させることでランニングコストやエネルギー消費を低減できることが特徴。
・利用者が複数施設の行き来により、相乗効果が期待できる。
<経過>
・図書館建て替えの必要性から、平成16年に「市立小諸図書館建設検討員会報告」により改築が低減され、議論が本格化した。
・芹沢前々市長時代の駅舎併設図書館構想が発端となった。
・第2期目のマニフェストでは病院を小諸市に残す(2次救急)こととして当選し、
・「駅前図書館構想」は設計に1億をかけたにもかかわらず断念。構想のためには市民ワークショップが開催されていた(後述)。

・平成24年
 コンパクト構想見直しを掲げた柳田前市長が当選。交付金スケジュールがすでに間に合わず建設は進んでしまった。
・平成27年
 新市庁舎開庁
 同年循環バスを予約制のデマンド型に変更
11月 図書館、市民交流センター開館
12月 病院開院(厚生連浅間南麓こもろ医療センター)
・平成30年
 付近にあった「つるや」第1号店休業
 土地を市が買収し複合施設を作る計画を策定(複合型中心拠点誘導施設整備基本計画)

<その他>
・「新幹線を断った」という評判があるがJR側の条件を飲めなかったのが実際
・商業施設がロードサイドへ立地し「まちなか居住」が課題となっている。
小諸市の人口についてはほとんどの地区で減少しているが佐久市に近い地域は増加している。人口の重心が佐久市側に移りつつあるといえる。
・一連の事業は市が主体となった事業。現状、大きな民間投資の動きはない。
・居住の誘導は進んでいるとは現時点では言い難い。
・オンデマンド方式に変更した公共交通の利用は進んでいる。
・市民によるまちなかの建物についての活動促進をはかっている。
・約50回もの「新図書館建設ワークショップ」が開催され、途中の大規模な計画変更や中断にもかかわらず合意形成に非常に膨大な時間が費やされている。
(ワークショップの様子については、意見交換で詳細を伺ったため後述)