第12章ベンチャー支援策<ベンチャー企業論

中小企業支援・創業支援の「幕開け」は、意外にも平成元年バブル真っ盛りの1989年、「新規事業法」の成立であると同
書では評価されている。一定の新規事業に官営ベンチャーキャピタルが出資すると言う内容であった。折りしも「知創社会」
の必要性が問われており、続いて「産業技術力強化法」が制定された・・・と書いてあるが「知創社会」って何だ?

 その後の「平沼プラン」では、「大学の研究成果を事業化する」「数値目標」が導入されたのが画期的だった。その後、技術
ベンチャーの支援策として「科学技術基本計画」などが制定された。

 経営の3資源として「ヒト」「モノ」「カネ」と言われる。

最近は「情報」なども追加されるが、このうちベンチャー企業を経営する「ヒト」だけは、供給が難しい。
最も効率的な方法として、同書では技術ベンチャーの成功した企業経営者が、自らの体験に基づいて成功失敗を語るような経営セミナーが効率的だとしている。

確かに、経営セミナーで人がよく集まるのは、有名な企業の経営者のセミナーだろう。大学教授やコンサルタントよりも、たとえば「楽天社長」とか「アマゾン社長」が基調講演する・・・と言ったら、相当遠くからも人が集まると思う。

同単元では「日本的妬みによる貶め」についての言及がある。
成功者を貶めようとする日本社会風土の変革が必要と説いている。
そのとおりだと思う。しかし、どうやればいいのだろう。

起業家がいかに理念を持ちえるか、社会風土をいかに変え得るか

「カネ」ビジネスエンジェル
個人投資家の活用
出資以外にも経営についてのアドバイス、投資先企業に不足する人材を紹介、取引先を紹介
エンジェル自身にも起業経験、株式公開

ビジネスエンジェルとスポンサーとの区別としては、「資金は出すが口は出さない」ことが職業投資家との違いとなっている。

エンジェルの実態
米国・・・72万人 投資実績49万件/年 
投資額327億円(ベンチャーキャピタル投資額の8倍)

日本・・・1回当たり100万〜500万 42.6%アメリ
カに比べて額が少ない

日本で出会うには地域や業種ごとに特化したインフォーマルなエンジェル組織があるだけ。裾野は限られている。