ベンチャー企業論2

放送大学テキスト学習記録つづき。

第四章は成長ステージアプローチの必要性について。

 ベンチャー企業は成長段階によって急階段のような成長パターンを示すため、構造的アプローチの他に成長ステージアプローチが必要。
従来の経営学の中にも同様の考え方はあった。
●ラリー・E・グレイナー「企業成長モデル」
 →進化と革命を繰り返す、なだらかな曲線を描かない
●イチャック=アディゼス
 →企業にも人間と同じライフサイクル

1.VM変革理論
(1)不均等な成長パターン
(2)弁証法的成長(順調な成長と矛盾解決)
(3)3年から5年以内の昆虫の変態のような成長。変革自体がリスク
(4)変態が避けられないリスクをチーム制により解決することもある。
(5)各段階にふさわしい経営者をつれてきて、解決することもある。

2.VMの要素
(1) 経営者
スタートアップ期は、経営者の資質が問われる。ビジネスへの思い入れ、実行力、決断力、リーダーシップ、優れた経営センス、人望など。
急性長期から経営基盤確立期になると、脱個人的経営、変化への柔軟性が問われる。
(2)マーケット
ベンチャー企業が設定した市場の内容と設定の方法
(3)マーケティング
設定した市場への能動的働きかけ
(4)供給システム
(5)管理システム
3.成長段階ごとのVM要素 
五つの要素のウェイトは経営段階によって変化する。スタートアップ期は(1)(2)が比較的重く、経営基盤確立期には(4)(5)が重くなる。
4.成長への力
上記VM要素は、生存欲求、成長欲求によって回転し続ける。一方で、人、モノ、金、情報といった経営資源も回転し続ける。両輪が二輪構造のようになって次の段階へ向かって回転を続けることで成長する。