アメリカの歴史と文化

アメリカの歴史と文化 (放送大学教材)

アメリカの歴史と文化 (放送大学教材)

遠藤先生の同教科書を読み進める。

オバマ大統領の演説などに出て来る、ピルグリムファーザーズから始まる歴史観は既にアメリカでは一般的ではないのだそうだ。先住民族から連なるアメリカ史を取り入れることは、歴史の全体像に近づくために必要な事なのだろう。


ポカホンタス伝説
http://ja.wikipedia.org/wiki/ポカホンタス

ヴァージニア植民地に入植した人々は、たびたび飢餓に陥った。それを救ったのが先住民族の援助だったが、その中で伝説が作られて行った。そのひとつがポカホンタス伝説である。
実際は虚構であったとの事だが、実際彼女が酋長の娘?であり、洗礼を受けて英語を教えられ、イギリスにも渡ってジェームズ1世に謁見している。帰途病没したが、植民地のリーダーによって誇張して語られたため、美談化されて伝わった。

いわゆる「インディアン」たちは文字を持たなかったため、独自の歴史を書き残していない。しかし、捕虜になった欧米人達が書き残した物から、彼らの苦悩の歴史を読み取る事ができる。死の恐怖、欧米の侵入、様々な困難を乗り越えて生きていこうとしたかれらの歴史からは学ぶべき事が多い。

アメリカは最近のヒスパニック系移民、少し前のアジア系移民、それより前のアフリカから連れてこられた黒人達の歴史など様々な歴史が重層的に折り重なる歴史を持つ国であると言える。


「インディアン」の呼称
侵入者側が原住民を差別的に呼んだこの呼称は、後に原住民自身が侵入者と自らを区別するために部族間の相違を超えて共通した呼称として用いることとした。日本の学校教育では近年「ネイティブ・アメリカン」の呼称が用いられているが、アメリ国税調査では「アメリカ・インディアン」、カナダでは原義どおりに「ファースト・ネーション」と呼ばれている。

原住民と侵入者の対立
 中部ペンシルヴェニアは、ヴァージニアやマサチューセッツ植民地が民間会社によって植民されたものと異なり、国王から借金の代償として権利を与えられた物だった。子のウイリアム・ペンは原住民との友好関係を築く方法で入植した(渡航前の原住民宛手紙など)。フィラデルフィアギリシア語で「友愛の町」を意味し、フレンチ・インディアン戦争のときも争いは起きなかった。しかし、その後の入植者の増加の中で土地の収奪は止められず、却って主戦場となった。
 欧米の入植者達は現地語を学び溶け込む事をしなかった。五大湖付近に入植したあるオランダ人植民者は、狩猟(男性の役割/冬期)と採集と農耕(女性の役割/夏期)を複合的に取り入れていた現地の経済活動を理解せず、夏期に遊んでいるかに見える男性の狩猟を、欧州の遊びと同じだと思い違いし、「怠惰な男」と「奴隷のように働かされる女」と評している。
 侵入者側の言うヴァージンランドとは、セクシュアルな意味を持つ。男性が征服すべき女性、征服される側の文化、生活、経済活動への無理解を示す言葉である。