今週のお題「秋を感じる瞬間」

長野県の秋は唐突にやってくる。

お盆があけると、突然涼しくなる。
夜は半袖ではいられないくらい。

ゆく夏を惜しむ暇などない。「残暑お見舞い申し上げます。と言ってももう涼しいですよね、すみません」などと、書き損ねた暑中見舞いのお返事に慌てて書いたりもする。

ただ、秋を感じる瞬間は、気温ではない。
ある晴れた日に外を見ると、風景の色が変わっているのだ。

草木の色が少し茶褐色になっているからかと思うと、そうでもない。
空の色が変わったのかといえば、そうでもない。

空気の色が変わったとしか言いようがない。
何色かと言われても答えようがない。

強いて言うなら「失われた夏の色」とでも言うべきだろうか。