今週のお題

ブルキナファソという国がある。
清廉潔白な民の国の名を持つこの国は、世界最貧国の一つに数えられる。
この国へ青年海外協力隊で派遣されていた方の講演を伺う機会があった。

なんでも分け合って食べる。あいさつに時間をかける。
昔の日本、あるいは中国を思い出した。どんな国でも貧しくて、西洋文化の干渉を大きく受ける前はそうだったのだろう。

「セ・ラ・メム・シューズ」はフランス語で「みんな同じ」という意味だそうだ。異なる宗教、異なる文化を持つ数十の部族が集住するこの国で、深刻な対立が起きないのは国民が合言葉のようにこの言葉を言い合うからのようだ。「祈る方法が違うだけ。みんな同じだよ」と。講師はいろいろなケースを検証をしてみたようだが、本音でそう思っているようだ。

社会主義独裁が倒れ、現在は緩やかな独裁によって政治的に安定しているという。社会主義は比較的多くの価値観を許容しやすいため、現在のような状況を作るのに役に立ったのかもしれない。あるいは、経済的な格差の小ささや競争の緩やかさも背景の一つかもしれない。

だが、そうした背景を持つ国はたくさんあるにもかかわらず、多くの国が対立に悩んでいる。やはり、この国の文化がそうさせるのではないか。

文化の大切さを痛感した講演会だった。

今週は七夕。中国の古い伝統文化が、日本に根付いた習慣である。大阪市での生活保護費大量申請事件を契機に中国への排他的な発言がネット上にあふれているが、ブルキナファソの言葉が世界中に届きますように。