- 作者: 宮城谷昌光
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/03/28
- メディア: 文庫
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宮城谷歴史文学に着手した。春秋戦国時代の諸子百家について書き込んでいる作家がほかに見あたらないので読んでみることにした。
楽毅は戦国時代、中山国の宰相の子として生まれる。強国斉に留学中に孟嘗君に会い、斉との同盟を模索する。趙に攻撃され風前の灯火の祖国のために寡兵をもって抵抗したが、空しく祖国は滅びる。その後燕の昭王に見いだされ、燕国で力を得て斉を攻め、事実上滅ぼす。
この小説の主題は「人が見事に生きるとは」ということなのだろうか。もうすこし一人一人、せめて主人公を書き込んでほしい。司馬遼太郎は主人公をあえて欠陥のある人格に描いたりもした。そうしたところが共感を呼んだのではないか。少なくも私はそう思う。
生き方を貫くという面では、楽毅の生き様は参考にはなる。