チベットと旧ソ連邦各国の相似点

ロシアの力を落とすために、アメリカが旧ソ連邦の各国にNGOをつくり、支援を与えて革命を起こそうとしたのはすでに知られるところとなっている。

旧ソ連邦の各国は、資源を頼りに開発独裁を数十年続けることで日本や韓国、中国のような経済的成功を目指していた。傾斜生産方式や国力増強を優先する産業政策は、日本がかつてそうであったように、中国や韓国が現在まさにそうであるように、どこか反人権的な要素を持っている。現代の人権をめぐる文脈を持って、そこへつけこむことは容易であろう。

中国を弁護する気はないし、チベットの人々をとても心配には思う。しかし、やり口がどこかの国のやり方に似ていないか。

中国はここ2百年くらい、大国の思惑に翻弄されてきたひどい歴史を持つ。よくここまで立ち直ったと思う。
近年、そのことを知らずに、最近の中国の成功を小面憎く感じて、誹謗中傷する文脈をしばしば見かける。中国現代史といえば南京大虐殺としか教えていない日本の教科書は、非常に偏っていると思う。その偏りが、結局現在の世論の状況を招いているのは、実に皮肉ではないか。