このまちの土地利用について

 最近、次々とマンションが建ち並び、空き地が次々に住宅に変わっている。
 経済環境と家族構成の変化から今1家1台しか無かった車が2台、3台となり、住宅建築技術も進歩して気密性の高い家を造ることが出来るようになった。消費者のニーズが変化するのは当然である。加えて、郊外に無秩序に広げた住宅地の反省から、市街地にマンションを買って住もうとする人も増えてきている。これらが現在の空き地利用に起きている現状の背景にあると思われる。

 一方、工場が続々と転出、廃業している。諏訪地域の雇用の多くを吸収してきた工業は、空洞化の90年代、コスト競争の00年代を経て、市街地から退出しようとしている。このことはどのようなことに影響を与えていくだろうか。

ひとつは、昼間人口の減少である。御柱消防団のような昼間に動かなければ回らないような地域の活動は、今後停滞を余儀なくされるであろう。
また、若年者が工場とともに転出していく可能性も捨てきれない。土地の値段は茅野や箕輪、塩尻では驚くほど安い(正確には諏訪地域が高すぎるのだが)。現に、茅野のある地域では、今は諏訪地域で見られなくなった「集団登校」の姿を見ることが出来るようになりつつある。これらは、地域の活力の低下をもたらすだろう。老人を悪く言いたくはないが、しかしこれは厳然とした事実であり、「高齢者も工夫すれば活力のとんだまちづくりができる」などという、問題の先送りのような、現実から目をそらすようなことを言っても仕方ないだろう。