あの金はどこへ行ったのか

 昨晩テレビを久しぶりに見た。滅多に見ないので、職場の話題についていけないことがある。「M−1なにそれおいしいの?」という感じだ。
NHKの特集番組で、リーマンショックが防げなかった原因についてをやっていたためだ。
クウォンツ達により作られた妙ちきりんな金融商品により、明らかに異常なバブルだった。番組では思い切った規制に踏み切れなかった原因のひとつとして、アメリカ政府がロンドンに客を取られるのではないかと懸念したことを挙げていた。

歴史上、同じことが何度もえされているので、おそらく次回があるだろう。そしてそれはおそらく、「上海に客を取られるのではないか」と、どこかの市場や政府が気にすることで発生するのかもしれない。あるいは、中国政府がアメリカ政府と同じ轍を踏むのかもしれない。覚えておいたほうがよさそうだ。

話は変わるが、この番組を見ていて気づいたことがある。
中国は現在不動産バブルである。最近不動産自体は加熱が収束しつつあるようで、前のような土地転がし的投機はできなくなりつつあるらしい。バブルの余剰資金が一体どこから来ているのか不思議に思っていた。政府による公共事業も一つの原因であろうが、日本や周辺国からの投資マネーではないかと想像する。日本の金融政策や政府によるバラマキ、自称財政政策で使われた血税が、国内に投資先が無いことから中国へ行っているのではないのだろうか。

 雇用対策で多額の金が、このあたりの中小製造業に突っ込まれた。多くの企業は中国に工場を持っている。中国での生産や企業活動にその金が使われているとしたら、その道をたどればお金の動きがわかるだろう。
 日本の工場の設備への投資を控えて中国の工場で新しい機械を入れるとか、営業活動を中国で活発化させるとか(あるいはそうせざるを得ない状況にいるとか)、こうした通常の企業活動も資金を流す要因のひとつだ。

「資本が逃げている」という表現をされた方がいるが、言いえて妙だ。
http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/
簿記的に考えると、資本金なり借入金なりで調達された資金(収入)が、設備投資や営業経費などとして中国の工場などで使われるとすれば、それはこの方のおっしゃる「資本が逃げている」という状況に該当するのだろう。