地方崩壊 再生の道はあるか

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日本経済新聞社編。前半は財政が破綻した地方自治体がどうなるか夕張市の取材を元に、よくまとめられた一冊。
「財政が破綻する」と言われるが、「破綻」とは実際にどうなることを指すのか。何が起きるのかよく知られていないし、報道もされていない。

この本に出ている夕張市の再建計画の内容を見るだけでも、結構おもしろい。

<収入>
税負担の引き上げ →全国最高水準に
(市民税6.0%→6.5%、固定資産税、軽自動車税1.5倍、入湯税
市営住宅使用料(滞納者に対する徴収強化)
下水道使用料(立米1470円→2440円)
ゴミ処理手数料の新設
<支出>
職員減(4年間で269人→103人)※
給与減(基本給平均30%減、各種手当て減)
特別職手当て減(理事者給料は1/3、退職手当は未支給)
支所・出張所廃止(全部)
小中学校の統合(市内4校を1校に)
委員報酬(6割減)
補助金等(ほとんど削減)
公債費 短期借入金を道が肩代わりし、低金利で貸付け。
金利が大幅に削減され、赤字が減れば減るほど加速度的に公債費が縮減される。
観光施設の指定管理者化(受け手の無いものは閉鎖)
市民病院の廃止、診療所化

※職員減のための「夕張方式」
退職手当を段階的に減らすことで「早く辞めたほうが得だ」と思わせることでリストラを図る方式。人によって1/4に減る。
急激な退職者増加は一時的な人件費増を招いたため、「退職手当債」を発行して対応。



要は、自治体が裁量でやっていたことをことごとくやめさせられた、ということらしい。