映画レッドクリフを見た。
三国志を扱った映画は沢山あるが、なかなか大当たりはしない。横山光輝のマンガと、NHKの人形劇は不動の地位を占めたようだが、その他についてはどれもいまいち知名度が高くない。小説のスケールがあまりに大きく、それと比較されるとどんな映像もしぼんでしまうから、ということもある。また、一人一人の三国志があり、どうしてもそのイメージと大きくかけ離れてしまうという所もあると思う。
今回のレッドクリフは、赤壁の戦いのみに照準を絞り、描く事にしたらしい。正解だと思う。全部なんてとても無理だ。それでも2回作に分けた。三国志が原作を離れて、勝手に人々の心の中で質量ともに大きな物語になってしまっているかがわかるところだ。それに敢えて取り組もうとした監督は、本当にエラいと思う。アジアの監督の中で、一番エラいと思う。本当にエラい。
実際に見てみての感想。
張飛の見せ場である長坂も思い切って削ったようだ。諸葛亮を少しコミカルな役柄にして、これまでにない個性を持たせた。甘寧が変な名前に変えられて日本人がやっている、巨漢の関羽を演出するために、モンゴル人を使っている(ある意味ナイスアイディア)・・・などなど、予告編では気になる所がいくつもあったが、実際に見てみるとそんな事はどうでも良くなってしまった。この映画はすごすぎる。この映画を見ないで三国志は語るべきではない。自分の中の三国志が裏切られたという思いよりも、新しいストーリーを追加してくれた、そんな気持ちにさせられる映画だった。
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