ダンボール肉まん騒動

 数日前、「北京の路頭でダンボールを肉の替わりに入れた肉まんが販売されていた」と北京のテレビ局が伝えた。
 そのニュースを、日本のマスコミが又聞きで伝えた。すると、数日後「報道自体が捏造だった」と、北京のテレビ局が伝えたため、日本のマスコミが「アレは捏造だったみたい」と伝えている。

 中国の新聞各社やテレビは、情報統制時代の反動から最近質が非常に悪い。その事を知らないわけでもあるまいに、情報ソースも確かめずに報道してしまった日本のマスコミの無責任ぶりも、北京のテレビ局と似たようなものだと思う。
 おおかた、中国産業底辺のニセモノビジネスが今も中国の主流と思い込んでいるのだろう。

 マスコミだけでは無い。国民の多くは自分の事は棚に上げて、中国の未熟振りを笑っている。数十年前、アメリカが日本の事をそのように扱っていた。しかし、その十年後に安価なホンダのバイクの上陸に慌てることになった。マスキー法をかけて圧力をかけてみたが、日本のほうに先にクリアされてしまった。80年代の、アメリカのものづくりの崩壊のはじまりである。

 同じ事が日本に起こらないと何故言えるのだろう。今年中にはあるいはGDPが世界第3位になると言うのに。

 この国の国民が他者を過小評価するのは戦前から何もかわっていない。