もしもあなたの保険証が

ある日突然役所から通知が来て「あなたの保険証は3月31日で失効します」と言われたら、どう思うだろうか。大抵の人は仰天するだろう。そんなとんでもない話に全国の75歳以上のお年寄りが実際に見舞われた。

後期高齢者医療制度の発足のため、保険証が3月に各家庭に送付された。長野県は小さなオレンジ色のカード。知らない人が見れば、店のポイントカードだと思ってしまうようなものだ。しかも、シートからはがして使うようになっている。お年寄りが当惑したのも無理はない。仮に配達されてきたのに気付いたとしても、それが保険証であるという事を認識できるかどうかはなはだ怪しい。小さな字でごちゃごちゃと小難しい事が一杯書いてある保険証。どうしてこんなことになってしまったのだろう。

「年寄りに死ねというのか」「末期高齢者医療制度」などと揶揄されている。無論、増大する高齢者の医療費をなんとかするために考えだされた制度なのだが、そう素直に思えない様な事態が起きている。

自民党は今回の事で大きく票を落とすかもしれない。しかし、一方でこうした事態に野党はもっと無力だ。それを見越してこの制度の導入を図ったとしたら、老獪としか言いようがない。