海外にルーツを持つ子ども・若者のための、専門家による日本語教育・学習支援および自立就労支援事業を行っている「YSC Global School」さんから、Twitterで面白い記事をご紹介いただいた。
ご提供いただいた記事はこちら。
記事を簡単にまとめると以下の通り。
記事の内容は移民と戦後ドイツ社会の特徴を整理して述べている。
1 移民受け入れの状況
・2015年だけで100万人受け入れた
・家族を呼び寄せたのは4分の1。原因は「ゲットー化」(集住)により統合が困難になったため。
・ドイツ国民の5人に1人が移民の背景を持っている
2 ドイツ社会の移民受入の困難さ
・ドイツは職業別組合が強い資格社会。どんな職業にも国家資格がある(確か健康保険も職能組合別ではなかったか)。人生の途中でドイツ社会に参加する移民は資格社会の流れに乗ることができない。
・職業訓練などのポストを得ようとしても、外国人(特にトルコや中東など)は書類選考で落とされてしまう。
3 自治体(州)の政策変化
・自治体は80-90年代は不熱心(NGOに補助金を出して丸投げ)だったが、フランスの暴動を見て態度を変えた。「匿名の履歴書」制度を始める。
・オランダで行われていた「市民化講習」を起源としている。
4 現代ドイツが移民受け入れを続ける理由
・戦後の人手不足に元捕虜や元強制労働者、東欧からの追放者を積極的に受け入れた。
ドイツはドイツ語教育を投資と考える。高度人材の不足を将来埋めてくれると考えている。
・一方で日本は日本語教育を「恩恵」と考える。
・キリスト教の伝統は難民保護に良い作用を与えている。
5 国の制度と移民への感情
・政治的には反対派と賛成派が拮抗してきた。
・兵役拒否者のための連邦ボランティア制度は徴兵制終了後も続いている。5万円程度の報酬をもらいながらボランテイアに従事していることが、ボランティア精神を涵養していると考えられる。
・大企業も競ってドイツ語の講習を行っている。
・ドイツ社会の強固さは、共感力の高さをベースにしている。移民がトラックの荷台で死亡していた事件に憤激したドイツ社会と、無関心だった日本社会は大きく違う。
日本は経験を多く積まなければならない。
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