選択的夫婦別姓賛成論

選択的夫婦別姓制度とは、希望する人に別姓のまま結婚できるようにする制度です。ご存知かどうかわかりませんが、離婚時には自由に姓が選べます。それと全く同じ趣旨の制度です。これについていまだに根強い反対意見があるようですね。
 
私は行政の中の人として、この制度の導入に不安を感じている方々にお話ししておきたいことがあります。
 
選択的夫婦別姓を導入しても、戸籍制度は壊れたりしません。
そんなに簡単に役所が変わるなら誰も苦労しません。
選挙だって必要ないでしょう。
 
もっとわかりやすく説明します。
明日、太陽は西から昇りません。
家族も壊れたりしません。
あなたの反抗期の娘は、明日も間違いなく反抗します。
あなたと奥さんの関係は、明日も相変わらずでしょう。
魔の3歳児は、相変わらず悪魔のままです。
あなたの家族は何一つ変わりません。
 
私たちがしようとしていることは、「結婚して姓を変えると不便すぎる」という人に選択権を与えようとしているだけ。
たったそれだけなんです。
 
外国に核戦争を仕掛けようとしているわけじゃありません。
農作物が壊滅するような宇宙生物をまこうとしているわけではありません。
 
何か問題でしょうか?
たいしてお金もかからないんですよ。
異質なものを遠ざけたいのでしょうか。それは別にいいと思います、我々人間はみんなそんなものです。
 
とはいえ、反対なさっている方々は良識的な方々なのだと思います。制度がこの社会に何をもたらすのか、真剣に心配されているのでしょう。
 
だから反対する人に、これだけははっきりお話ししておきたいと思います。
繰り返しになりますが、明日、太陽は西から昇りません。
あなたの反抗期の娘は、明日も相変わらず反抗します。
ついでに言えば、税金も上がったりしません。
残念ながら下がることもないでしょうけど。
 
突然旱魃も起きたりしません。
台風がくれば大雨が降ります。
夜になれば暗くなり、昼になれば明るくなります。
足立区も滅んだりしません。
あなたの暮らしは何一つ変わらないのです。
 
冬が来れば寒くなり、夏が来れば暑くなります。
当たり前の毎日が、当たり前に続いていく。
それだけのことです。
 
もう一度言います。
あなたの暮らしは何も変わらないのです。
別姓の夫婦が増えたからといって、太陽は西から昇らないんです。
 
今日、県内各地で大きな虹が見えたそうですね。
私はいつか日本の社会に大きな虹がかかるといいなと思っています。
 
どうか一人一人が、もっと暮らしやすい社会になりますように。
 
出典:ニュージーランド国会LGBTQ法案におけるウィリアムソン議員の賛成演説を一部改変